濡れている水    

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濡れている水 ― 水に語らせるⅠ ―
地球は表面の約7割を水に覆われた「水の惑星」として知られています。水は気候を安定させ、大地を形づくり、自然界の循環を支える根源的な存在です。雨や雪、川や海といった姿を通じて、私たちが目にする自然の営みの多くは水によって成り立っています。

日本の四季もまた水と深く結びついています。春の雪解け水、夏の清流、秋の霧雨、冬の氷雪——水はその形を変えながら、季節を静かに映し出します。水は自然の美を繊細に際立たせ、私たちに季節の気配を伝えてくれます。『水に語らせる』は、水を通して四季の表情と日本の自然美を見つめ直す試みです。

その最初の作品として「濡れている水」として早春の水を表現しました。俳人長谷川櫂の代表作に「春の水とは濡れてゐるみづのこと」という句がありますがこの表現を写真の作品として表します。 発想の模倣と思われるかもしれませんが、「模倣に値する名句」であり、また写真を通じての表現は一つのチャレンジと認識しています。

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